小樽の旬の一番美味しいところをお召し上がりください。
春 ニシン、サクラマス、トキシラズ、シャコ(4-6月)…
夏 ウニ、ホッキ貝、スルメイカ…
秋 ヒラメ、ブリ…
冬 タラ白子、ハッカク、ホタテ、ブリ、シャコ(10-12月)…
通年 タコ、ソイ、甘エビ…
私のおすすめ寿司ネタは・・・小樽前浜の6月~8月までの『うに』(バフンウニ、赤が絶品)と、年に2回漁期がある『しゃこ』(冷凍でないかを確認!)味はオスが良いです。
あおぞい
クロメヌケが正式名称で、冷水域の深場に住むカサゴやメバルの仲間で50cmと大型になります。北海道のオホーツク海が主な漁場。味は適度な脂とうま味があり美味。小樽の市場ではたまに目にしますが、寿司屋で出会うことは少ないですね。
あまえび
小樽沿岸で採れる甘エビは、正式にはホッコクアカエビという種類。余市の沖合いで4~11月にかけてエビカゴで漁獲されます。これぞ小樽前、庶民の寿司ネタの定番です。
あなご
北海道の夏場、おもに噴火湾や室蘭・苫小牧を中心に釣りの対象になっていて、地元では「ハモ」と呼んでいます。もちろん、骨切りして梅肉で食べる鱧とは違うのですが、なぜかこう呼ばれます。握る直前に炙って香ばしさが出た、焼きあなごは絶品ですね。
あわび
小樽・積丹沿岸では、10月頃より12月までが解禁となります。透明度の高い海中で、深いところは5m以上のところから、カギとタモ網を器用に使い獲ります。時化の多い日本海で磯舟を操る漁師さんはとても大変です。現在では、蓄養(イケスで育成)されているものもあるため通年あります。北海道は蝦夷アワビといい小型で歯ごたえがあります。
いくら
成熟した鮭の卵巣をほぐして塩や醤油に漬け込んだものです。9月中旬より道北やオホーツク方面のものが使われ始め、ピークは10月頃で市場には12月になっても道南方面などや遅い群れのものが出ていたりします。遅い時期は注意しないと皮が厚くなり、通称「ピンポン玉」と呼ばれる箸にも棒にもかからない代物になります。
小樽の寿司屋では、独自の漬け込みをしているお店が数多くあり、それぞれに違った味が楽しめます。個人的には、生醤油のみで漬けたものが好きです。
うに
小樽を代表する寿司ネタのひとつです。ふたつの種類があり、地元で「白」「ノナ」と呼ばれるのが、エゾムラサキウニで外観はトゲの長い黒っぽいウニです。お値段もやや安めで、あっさりした味わいです。もうひとつは、今や超高級品になったのは「赤」「ガンゼ」と呼ばれる、エゾバフンウニです。沿岸の磯焼けで海藻が少なくなり、漁獲量がとても少なくなりました。コクと甘みのある味で、小樽の赤ウニは絶品です。小樽沿岸の漁期は5月中旬から8月一杯までです。
おおすけ
大助と書き、天然キングサーモンの北海道から東北にかけての地方名のようです。正式和名は、マスノスケといいます。回転寿司などでお馴染みの通称サーモンは、養殖されたアトランティックサーモン、トラウトサーモン、一部キングサーモンも含まれます。しかし、このオオスケは別格です。食べてみるとその違いがよくわかるはずです。さすが鮭の王様ですね、でもちょっとお高いですが・・・。おもに2月から6月頃まで太平洋岸で獲れますので、この時期見かけたらぜひ食べてみてください。でも、いつも出ているというわけではありません。以前オオスケの卵巣を食べましたが、これも絶品でした。でも一番は知床の川で釣ったオショロコマというマスの卵巣です。
かき
北海道で有名なのはやはり道東厚岸湾のカキでしょうか。オホーツク海側の汽水域などでも養殖されています。殺菌技術などの発達で周年出回るようになりましたが、やはり12月から2月くらいまでの冬場が実入りも良く美味しい季節です。小樽で味わうならぜひ日本海の荒波で育った寿都産の「寿(ことぶき)かき」を食べてみてください。海水温の関係で5~6月が出荷の時期となっています。
かれい
北海道で刺身や寿司ネタに利用されるおもなカレイ類は、イシガレイ、ギンガレイ、クロガレイ、アカガレイ、タカノハガレイ、オヒョウなどで、カレイ全般に言えますが旬は冬場です。
おそらく、寿司ネタにはなっていないと思いますが、冬場のカワガレイやアサバガレイは、鮮度が良いととても美味しいです。
きんき
太平洋やオホーツク海の深海に生息するカサゴの仲間です。暗い色の多い北海道の魚の中で、鮮やかな赤色をしており目を惹きます。身は脂が多く濃い旨みがありとても美味です。
秋から冬にかけての産卵前が旬です。欠点は値段が高いこととなかなかお目にかかれないことでしょうか。私は魚系の鍋ではキンキが大好きです。メヌキと双璧をなす美味しさです。
くろぞい
地元ではナガラゾイと呼びます。本来岩礁帯に住む魚ですが、回遊性も強くかなりの距離を移動するため、流れソイ→ナガラゾイと変化したともいわれます。以前、小樽で釣り上げたクロソイに約40km離れた対岸の浜益町で放流された時のタグが付いていたことがあり驚きました。
ソイ類では一番ポピュラーで、味は淡白な白身という感じでしょうか。
けがに
北海道で獲れる代表的なカニです。いつでも小樽の観光客相手の魚屋にはありますが、旬はやはり身入りのいい春でしょう。オホーツク海側や日高などの太平洋岸などで多く獲れます。
ちなみに、タラバガニ、アブラガニ、ハナサキガニはすべて足が8本のヤドカリの仲間です。
けいじ
鮭児と書きます。秋に産卵のため回遊してくるシロサケの中でも、ごく稀(1~2/10,000程度)に獲れる未成熟な若いものを指します。とても脂が乗り美味しいとされますが、なにぶん貴重なため高価です。個人的には少し身が柔らかいので、おおすけ(キングサーモン)のほうが好きですね。
さば
9~10月が北海道の秋サバのシーズンです。
さんま
脂の乗ったさんまは秋の寿司ネタとして超おすすめです。北海道ではおもに釧路や根室沖での水揚げで9月頃が漁の盛期です。普通はワサビかショウガで食べますが、唐辛子を薬味にすると美味しいです。ぜひお試しください。
ししゃも
干物でおなじみのシシャモですが、意外にも寿司ネタとしても絶品です。太平洋沿岸で10~11月に獲れ特に鵡川産は有名です。
しまえび
道東野付尾岱沼の三角帆を張った打瀬舟漁が有名です。漁期は6月中旬から7月末までと10月中旬から11月です。
しまぞい
ソイ類の中ではマイナーな存在ですが、味はクロゾイより上だと思います。
北海道で獲れる魚で黄色いのは、このシマゾイと婚姻色になったアブラコ(アイナメ)のオスくらいでしょうか。
しゃこ
小樽ではガサエビと呼んでおり、昔は刺し網を傷める厄介者でしたが、今では人気の寿司ネタになりました。漁期は子持ちの4~6月と10~12月で、海が荒れないと水揚げが少ないです。
殻つきのシャコを買った場合、うまくむくコツは、両脇のひれ部分を思った以上に深くハサミで切ることです。
ずわいがに
同じ種の高級な越前ガニは秋から冬がシーズンですが、北海道のオホーツク海で獲れる同じ種類のズワイガニは3月末から6月中旬が漁の盛期です。
上品な味わいとしっとりした繊維感は、カニ類の中でも絶品です。
たかのは
正式にはマツカワガレイで、本州では高級カレイとして有名なようです。北海道産は太平洋沿岸が漁場で、一時期は絶滅を心配されるほど激減しましたが、放流事業の成功で最近は市場でもよく見かけるようになりました。カレイ類では一番美味しく、時にはヒラメを凌ぐかもしれません。
たこ
北海道で獲れるのはミズダコとヤナギダコです。一般的に流通しているのはミズダコで、最近では生で出す店も多くなりました。
たらばがに
北海道産のものは少なくほとんどがロシアからの輸入です。近種でアブラガニがありますが、むき身した場合その違いがわからないためか、アブラガニと表示している寿司屋はほとんどないかも。このカニはその個体による味の差が大きいと感じます。北方四島海域が禁漁になったため、今では超高級ネタです。
つぶ
つぶ貝にもいろいろ種類はありますが、一番美味しいのは真つぶです。正式にはエゾボラといい、おもに太平洋で漁獲されます。本州のお客さんには、必ずこれをおすすめしていますが、みなさん甘くて美味しいといわれます。確かに私もアワビよりこちらのほうが好きです。
ときしらず
秋鮭と呼ばれるシロサケと同じなのですが、時不知と書くように5~7月に太平洋沿岸に回遊してくる未成熟の脂の乗った鮭のことです。同じシロサケの鮭児(けいじ)は超高級品ですが、トキシラズは値段も手頃で美味しいです。
にしん
小樽沿岸は明治時代から昭和30年代はじめ頃までニシン漁で栄えました。最近は放流の成果により近くの海岸でニシンの群来(くき)があり、産卵のため乳白色に変わった海を見ることができます。残念ながら現在小樽沿岸へ回遊して来るニシンは、石狩湾系ニシンと呼ばれる地域性のニシンで、成長が早いため脂の乗りが悪く、食味はいまいちだと感じます。道北沿岸やオホーツク海で獲れるサハリン系ニシンは、脂が乗り美味しいです。
はっかく
正式にはトクビレという名前で、外見はゴツゴツした古代魚みたいな感じでちょっとグロテスクです。輪切りにすると八角形なのでハッカクという名前がついたそうです。
味のほうは、姿形に似合わず脂がありとても美味しいです。旬は冬場で小樽の前浜でもよく水揚げされます。
はなさきがに
タラバガニを小さくしてトゲトゲしくした感じのカニです。漁獲の中心は根室の納沙布岬周辺で夏が漁期です。昔、国鉄に勤める叔父が釧路へ仕事に行った時によく買ってきてくれました。今では漁獲高もめっきり少なくなっているそうです。
ひらめ
小樽では10月下旬~12月が漁期で、いわゆる寒ヒラメと呼ばれる身の締まり適度に脂の乗ったものが入ります。
なんといってもエンガワ(ヒレの付け根)が最高で、シコシコした歯ごたえと脂がぷにゅっとした感触がたまりません。
ぶり
積丹半島の大棒網にブリが入り始めるのが8月頃からで、10月頃には脂の乗った寒ブリが獲れます。養殖ハマチとは、同じ魚とは思えないほど大きく味が違います。
べにさけ
その殆どが、北洋、カナダ、アラスカ、ロシア産です。味もこれと同じ順番だといわれています。身はサーモン類のオレンジ系とは違い、まさに名前の通り紅色です。味は脂と深いうま味があり、香りは燻した木の香りがなんとなくします。こう感じるの私だけでしょうか?
ほたて
この貝は採れた場所や時期による味の差が大きいです。やはり美味しいのは、オホーツク海で獲れた大きな活ホタテで、歯ごたえが全然違います。
内湾などで吊るされて養殖されたものも出回りますが、身が柔らかくイマイチの感じがします。
ぼたんえび
本州の寿司屋で驚いたのは、茹でたエビを寿司ネタに使っていることです。北海道では生エビしか使いません。北海道で大きな頭つきのエビを見かけたら、その殆どはボタンエビだと思っていいでしょう。
ボタンエビは北海道の日本海や噴火湾でおもに漁獲され、冷凍を含めると年中出回りますが、活なら春と秋が旬です。
ほっき
北寄貝と書きますが正式にはウバガイ(姥貝)というそうで、これはあまりいただけない名前ですね。北海道で有名な漁場は苫小牧ですが、道内でのおもな漁期は7月下旬から11月までです。生よりサッと湯通しして桜色のもののほうが、貝特有の生臭みもとれ甘くなり美味しいと思います。
ほんまぐろ
本マグロで有名なのはなんといっても青森県大間ですが、逆に同じ津軽海峡を挟んだ対岸の函館側にも同じ本マグロが水揚げされますし、日本海では積丹半島をかわし道北の利尻礼文まで回遊し、太平洋側は噴火湾が漁場だそうです。天然、生の北海道産の近海本マグロの漁期は7~11月頃までですから、うまく出会えることを祈りましょう。
まいか
正式にはスルメイカですが、函館で有名な漁火はこのスルメイカ漁のものです。小樽近海には6月頃より胴長20cmほどの小型のものが回遊しはじめ、それがどんどん大きくなりながら漁期は11月頃まで続きます。寿司ネタにするのなら身の柔らかい夏イカが美味しいです。
まぞい
ソイ類では一番美味しいです。身の締まりや脂の乗りなど、私はヒラメと互角かそれ以上だと思っています。小樽の前浜では一年中よく獲れますが、旬は産卵前の冬場です。
まだち
マダラの白子ですが、北海道ではスケダチといいスケソウダラの白子もよく食べられます。これは寿司ネタにはなっていませんね、きっと見栄えが悪く味もあっさりしているからでしょう。
マダチはネタが少なくなる北海道の冬場には貴重な存在で、濃厚な味とトロッとした食感の虜になる人が多いです。
まだら
釣りもので活〆したものは、そのまますぐ生が美味しいのですが、一般的には昆布締めになります。淡白な味わいに昆布のいいダシがしみ込んで、普通の白身にはない深い味わいがあります。
めぬき
小樽ではメヌキですがメヌケともいいます。釧路や日高の太平洋での深場で獲れ1~6月が漁期となります。北海道のMYランキングベスト3には必ず入る、脂とうま味のあるとても美味しい赤い大きな魚です。寿司だけではなく、このアラを使った鍋は絶品です。
やりいか
おもに道南の津軽海峡から日本海の小樽沿岸までで冬から春にかけて漁獲されます。小樽の前浜では、3月から6月頃まで定置網に入った活きのいいヤリイカを食べることができます。
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